一里塚

学びの足跡

わたしの一行(どくとるマンボウ青春記:新潮社)

p597

 大学というところは学問へのきっかけを作る場所である。少なくともその雰囲気に触れ生半可な学問と真の学問との区別くらいを覚えるところである。

 せっかく大学へはいって、そのくらいのことを学べない連中は、なにも大学生でいる必要はない。即座に退学し、別の人生を進んだほうがよほどよい。大体、今の世の中には、意味もない大学生が多すぎる。

 私は医学生としては史上最大に勉強をしなかったものの、そのくらいの感覚だけは体得した。本で読んだ知識と実際の知識との差も理解した。